1984年にアメリカで設立されたTED「価値あるアイデアを広める(Ideas worth spreading)」の精神に基づき、名古屋大学でTEDxイベントを開催しようと、2013年度に誕生したTEDxNagoyaU。
今回は、今年度から新しく協賛していただいている、株式会社新東通信様(以下新東通信様)の西井雅人様(以下、西井様)にインタビューさせて頂きました!
津田:この度はTEDxNagoyaUをご支援いただき、誠にありがとうございます。それではまず新東通信様がどんな企業様か教えていただきたいです。
西井様:はい、当社は51年前に名古屋で創業した広告会社です。広告等でテレビCMや新聞広告を手掛けたり、クライアント企業様の販売促進のお手伝いをしたりしています。また当社は企業様への支援だけではなく、自ら企画、運営する事業も盛んに行っています。例えば名古屋城の横にある金シャチ横町という飲食街は当社が運営していたり、過去には名古屋シティマラソンなどのイベントを実施したりしています。
津田:ありがとうございます。新東通信様はやっぱり一般的な広告会社とは違って、自ら企画をされているところがすごいなと思います。そんな新東通信様は、「何か面白いことはないか」という、少し珍しい企業理念を掲げていらっしゃるので、こちらについて、もう少し深めていきたいなと思います。まず、どのような想いでこのような企業理念になりましたか?
西井様:当社は創業者、谷喜久郎の「ただただ世の中を面白くしていきたい、自分も楽しみたい」という想いから、この企業理念になりました。マズローの欲求五段階説にもあるように、人間にとって一番大きな欲求は「自己実現の欲求」なんですね。やっぱり自分がやりたいな、面白いなと思うことを世の中の人たちにも面白いと思ってもらえるように、形にしていく。そうやって社会に驚きを与えながら、社会に貢献しながら、それを自分の喜びと感じる。こういう面白いことをやっていきたいというのが「何か面白いことはないか」に込められた想いですね。
津田:ありがとうございます。熱い思いが込められているんですね!新東通信様の社風は、割と活発な雰囲気なのですか?
西井様:そうですね、「明るく元気に前向きに」ですね!新東体操という体操があるんですよ。週に一回みんなで体操をして、深呼吸をして、静かに黙想をするんですけど、東京の支社では深呼吸をして「では、明るく元気に前向きに、黙想!」って言って(笑)それくらい「明るく元気に前向きに」をずっと大事にしています。あとは人好きが多いですね。コミュニケーションが活発で、オフィスでも笑いが聞こえてきます。活き活きとした空気が充満していますね。
津田:社員さん同士の繋がりとかも結構あったりするのですか?
西井様:そうですね、お休みの日にみんなでバーベキューをするなどのプライベートの付き合いもあるし、あとは部活動が盛んですね。この間はスキューバダイビングクラブが発足しました。(笑)キャンプクラブとかジョギングクラブとか、フィッシングとか、色々あるんですよ。そういう活動を通してコミュニケーションを深めていますし、やっぱり広告のお仕事は、世の中に驚きや喜びを与えたりしないといけないので、遊びも大事にしようという雰囲気がありますね。
津田:なるほど、遊び心のある方が多いんですね。やっぱり新東通信様は、そういう遊び心とかユーモアじゃないですけど、そういった独創性は結構大事にされているんですか?
西井さん:そうですね。働く上では三つの大事な力があります。うちの頑張っているメンバーが共通して持っているのは、まず感じる力なんです。これはいろんな情報や新しいものに対して敏感であったり、感情が豊かであったりといった、感じる力。2つ目が面白がる力って言うんですけど、自分ごと化するというか、何事も自分のこととして取り組もうとする当事者意識。それから3つ目はやりきる力です。失敗しない唯一の方法は成功するまでやることです。この3つを持っている人っていうのは、やはり当社でも活躍しています。あとはチャレンジする力も大事にしています。これは本当にほかの会社より特に重視していますね。私は大学でスペイン語をやっていたんですけど、当社がスペイン事業を始める時にここのオーナーが声をかけてくれて、当時24歳、社会人1年目で単身で7年間スペインでお仕事をしました。
津田:1人だけでですか?
西井様:1人だけで。何もないところで。まあチャレンジするとよくずっこけますよ。でもだからといって責めることはしない。チャレンジすることに対してすごく積極的な会社ですね。良い会社です。
津田:スペインでどんなことされたんですか?
西井様:4月23日はサンジョルディの日ですが、知っていますか?スペイン・カタルーニャ地方には、男性が女性に麦を一本添えた赤いバラを贈り、女性は男性に本を贈る、という習慣があります。この愛と知性の香りがする習慣を、この愛知に持ってきて、さらに日本に広める事業をしました。日本全国1万3千店舗の本屋さんと1万1千店の花屋さんに協力してもらって、7大都市でイベントを行いました。また、ちょうど1992年のバルセロナオリンピックとセビリア万博が決まったので、そこで2005年の愛知万博のプレゼンテーションをやったり、愛知万博の誘致のためにパーティーを開いたりしました。こんな大きなことを、若者である自分に任せてもらいました。
津田:すごく壮大でびっくりしました!積極的に若者にチャレンジさせる、このような社風ってとても素敵だなって思いました。
津田:それでは次に、新東通信様の今後のビジョンがあれば教えていただきたいです。
西井様:そうですね、やっぱり面白いことをやりながら、世の中の役に立ちたいと思っていますし、そういう人が集まっている会社になりたいですよね。もちろん利益も大切だけど、世の中のお役に立てるものをみんなで作っていく楽しさや喜びを、社員同士で分かち合える会社です。これからもそういった雰囲気は変わらず大切にしていきたいです。ただ広告業界はすごく変化をしています。変化している中で、従来のメディアも、今後はもしかしたらウェブメディアも含めて従来のメディアにこだわっていては、良いサービスは提供できないと思います。新しいものに挑戦していくこと、これも大事にしていきたいです。
津田:ありがとうございます。ではここからは弊団体を絡めたお話に移ります。それではまず、今年度TEDxNagoyaUに協賛していただいた理由や、共感していただけた部分をお聞かせいただいてもいいですか?
西井様:大きく言うとやっぱり次の若い人たちが日本という国を作っていくんだ、その人たちを本当に支援しなきゃいけないんだっていう意識は前提にあります。あとは、みんなで力を合わせて本当に新しいものを作っていきたいという元気さというか、クリエイティブなものを作っていきたいという印象を強く受けたので、応援したいと思いました。
津田:ありがとうございます。確かに西井様のお話を聞いていて、新東通信様と私たちは似ている部分があるなと感じましたね。
西井様:そうなんですよ。SUPERNOVAっていうのはすごく共感できるし、目指しているところや志が似ているかもしれないですね。
津田:ありがとうございます。それでは次に、弊団体に期待していることとか、これからどうなってほしいなどがあれば教えていただきたいです。
西井様:元気な日本を作ってくれよ!(笑)
津田:めちゃくちゃ大きな期待ですね!(笑)
西井様:大きい宇宙、限りなくあるその宇宙を、我々一人一人もやっぱり支えている。意外とそういうことを信じていて。自分たちひとりひとりの成長が本当に宇宙の成長につながっていくと思っています。なので宇宙の中で生かされているものである以上、やっぱり人は前を向いて成長していかないといけないという使命を持っていると思うんです。そういった使命を大事にしながら、じゃあその使命をどうするかといえば、やはり世の中を良くして行きたいということにつながっていくと思うので、こういう団体に入って皆さんがいろんなことにチャレンジすることで、名古屋を本当に元気にしてほしいです。あとは何より元気な仲間を、皆さんの力で増やしてほしいな!
津田:ありがとうございます。そうですね、私たちTEDxNagoyaUがもっと中心になって、エネルギッシュに周りの人を巻き込んで成長していきたいです!それでは、今年のメインイベントのテーマは「SUPERNOVA」(超新星爆発の意)なので、新東通信様の「今年のSUPERNOVA」ということで、今年力を入れていることがあればお聞かせいただきたいです。
西井様:今年は本気で地方を元気にしたいですね。これはもう創業者が口酸っぱく言っているんですけど、地方が元気にならないと日本は元気にならないですね。地方創生元年という言い方もしているんですけど、新東通信の力で本当に地方を元気にして、本当に日本を元気にしたい。
津田:地方に関する事業により力を入れていきたいということですね。ちなみに西井様ご本人は、個人的な今年のSUPERNOVAってあったりしますか?
西井様:ずっと爆発しているからなぁ、ちょっと休憩したいかも。(笑)でもやっぱり、社員が潜在的に持っている力を引き出せる仕組みを作りたいですね。自分が知らない、気付いていない力をみんな持っているはずだと思っているんです。それを引き出せる仕組みを作りたいです。なので今はそれに対して邁進している感じかな。
津田:潜在的な部分って、なかなか自分だけでは気がつかないですよね。 やっぱりこう周りに引き出してもらう必要がありますよね!すごく素敵です。
津田:それでは最後に、学生や若者に対してメッセージをおねがいします!
西井様:そうですね、若いうちは自分と異なる考え方もどんどん受け入れて、そこからいろんなことを吸収していってほしいと思います。ノーというのは、いろんな考え方を知って、その是非を判断できるようになってからでいいと私は思って生きてきて、それでよかったと思っています。世の中には本当にいろんな考え方があるから、まずはそれを拒絶することなく吸収することで、考える幅を広げていってほしいです。
津田:ありがとうございます。やっぱり価値観とか考え方って型にはまりがちなので、異なる考え方を受け入れることで思考の幅を広げていきたいです。
西井様:あとは、本当に好きな事や一生かけても大事にできるものを持って、長くそれにこだわってほしいですね。そうすることでブレない自分の柱ができるので、よりいろんな幅広いことができるようになります。これは私の人生の後悔からの反省です。
津田:人生の先輩からの教訓ですね。ありがとうございます。西井様、本日はお忙しい中、貴重なお時間を頂きありがとうございました!今後ともよろしくお願いいたします!!
・ インタビュアー、記事作成:名古屋大学農学部資源生物科学科 津田真理
・ 記事作成:名古屋大学理学部数理学科 横山大輝
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