1984年にアメリカで設立されたTED「価値あるアイデアを広める(Ideas worth spreading)」の精神に基づき、名古屋大学でTEDxイベントを開催しようと、2013年度に誕生したTEDxNagoyaU。
今回は、2015年度の開催から計9回、TEDxNagoyaUをサポートし続けて下さる大同特殊鋼株式会社(以下、大同特殊鋼様)の松崎友晴様(以下、松崎様)にインタビューさせて頂きました!
山川:今年もTEDxNagoyaUをご支援いただき、ありがとうございます!改めてですが大同特殊鋼様の事業内容についてお聞きしてもよろしいでしょうか?
松崎様:そうですね。特殊鋼という鋼(はがね)を扱っている素材メーカーです。いわゆる鉄鋼業をやっている会社になります。特殊鋼の特徴的なところとしては、色々なものを混ぜて作っていく中で、混ぜ方とか熱処理の仕方によってその素材の特性を大きく変えることが出来るのが特徴です。みなさんがよく知っているところでいうと、ステンレスはサビにくいという特徴があると思うんですけど、元々サビにくいというわけではなく、サビにくい特性を出すための配合をしたものをステンレスという風に呼んでいる形になります。その成分や作り方によって熱に強いとかサビに強いとか、鋼の中でも軽いとかやわらかいとか、磁石のように磁気を帯びるもの。逆に磁気の干渉を受けないものなど様々製造することが出来るので、そのような特徴を活かして色々な所に素材を提供している会社です。
山川:素材にこだわることで様々な要求に応えることができるのですね。「こだわり」というところにも繋がってきますが、他社には無い魅力や負けないと思うところはありますか?
松崎様:1つ目は、特殊鋼を作っている会社でもラインナップが非常に多く、様々なニーズに対応できるようにしています。2つ目は、自分たちでどんどんチャレンジしていく社風です。自社内にエンジニアリング部門があり、世界のどこにもない設備・機械の設計開発もしています。そういった設計開発を通して世界初、世界唯一の設備を使って製造していますので、そういった部分は他にない強い部分なのかなと思います。3つ目は、フランクな社風ですかね。先輩後輩との距離も近いですし、上司との距離も近いです。学生と接する時も、私は結構固めの方だと思うんですけど(笑)もっとくだけた感じの人が多いので、そこは意外と言われることもあります。メリハリをつけて、やるところは厳しくやりますし、そうではないところでは和気あいあいやっています。そういった部分が、学生の方には印象が良かったと言っていただけています。
山川:ありがとうございます。学生の話が出てきたので、その流れでお聞きしたいのですが、今の大学生や若者のイメージはいかがですか?
松崎様:そうですね。短い時間で効率的に色々な情報を集めるという傾向があるのかなと思います。色々なツールを使いながら効率的に色々なことをやることに長けている印象。そういう意味だとすごく効率よく色々なことがやれる気がしています。一方で、コロナもあり、オンラインが発達してきて、若干対面でのコミュニケーションに対して、苦手意識を持っている方が多いのかなと思います。慣れの話だとは思うんですけどね。
山川:ありがとうございます。コロナ禍になってから、基本オンラインという大学生が増えてきて、対面での緊張感というのもあるのかなと私も思います。
松崎様は、現在採用担当でいらっしゃいますが、大同特殊鋼様が求めている学生や今の大学生に期待していることをお聞きしてもよろしいですか?
松崎様:そうですね。私たちが求めている人材は、自主性がある方、自分で考えて行動できる方です。上から言われた指示をただ聞くだけでなく、細かいやり方だとかそれをもっと良くしていく方法みたいなところは自分で考えてやっていかないといけない若手の時期から責任のある仕事をどんどん任せていますがそのやり方にしても指示されてその通りにやるというよりかは、自分が何をしないといけないのか、どうするべきなのか、一人では出来ないところをどこに協力を仰ぐのかを自分たちで考えてもらっています。ゴールを示された時に自分でどうアプローチしてやっていくのかを自分たちで考えながら、その結果をまた検証して直していける方が活躍していける方になるのかなと思います。私たち社員は、自由度が高いので、自分のやりたいようにやらせてもらえる反面、指示待ちになってしまうと何も進まなくなってしまう部分があります。そういうところで、自主的に考えて周りを巻き込んでいけるという部分は大事にしています。そのような方に来ていただきたいなと思っております。
山川:ありがとうございます。私もこの団体に所属してから自主性の重要さをとても感じていて、活動を通してより実感しております!
松崎様:このようなイベント事って、本来、学校に通う分にはやらなくていいようなものばかりじゃないですか(笑)でも、かなりいい経験だと思ってます。相手にしているのが自分たちと違う属性の人、会社の人でもそうですし、スピーカーの方でも普段だったら関わることがないような年齢の方や分野の方達だと思います。そのため、そういう人たちと関わっていくということは、友達同士での会話とは少し違う所に気をつけないといけない部分もあると思いますし、色々な配慮もしないといけないと思います。大きなイベントを動かしていくとなると、状況もどんどん変わっていくなかで、それに向けてどうしないといけないかを考えないと上手く回らなくなってしまうと思います。このイベントを学生の力でしっかりやれるというのは、凄いと思います。そういったところも応援したい部分だと思い、協賛を続けさせて頂いています。
山川:ありがとうございます。弊団体についてお話が出たので、引き続き弊団体についてお話聞ければなと思うのですが、今年で大同特殊鋼様は9年目のご協賛ということで、今年も継続を決めて頂いた理由をお聞きしてもよろしいでしょうか?
松崎様:そうですね。イベントをやるにあたっては、大変なことが沢山あると思います。そこには、みなさんそれぞれのやる気とか自主性みたいな所がすごく大事な部分になってくると思うので、そういった所をしっかり応援していきたいという思いがあります。それが一番ではあるんですけど、一応会社なのである程度、大同特殊鋼という名前を売っていきたいということ。あとは、自分たちで何かやっていこうとか一生懸命に色々な外部の方とかとやり取りをしている方たちというのは、そうではない学生たちに比べて、色々なコミュニケーションや考え方というのも鍛えられているというか、能力が高い人達になってくるかなと考えています。私は、採用室なのでその面でいうとそういった人達に、興味を持っていただき採用の方にも繋げていきたいなとも思っています。学生の成長の機会を応援したいという思いと、会社としては認知度向上と採用面も含めた形で協賛させて頂いております。
山川:ありがとうございます。大同特殊鋼様は、他の企業様と比べても長くご協賛して下さっていて、長年に渡ってサポートして頂いてメンバー一同感謝の気持ちでいっぱいです。大同特殊鋼様をはじめ、様々な企業様に支えられて、11年間続けられているのかなと思います。ここで、私がお聞きしたかったのが、松崎様とTEDxの出会いのきっかけというのはどのような所にあったのでしょうか。
松崎様:TEDx自体との出会いの部分ですと、私の知り合いに別のTEDxを主催していたメンバーが何人かいました。私はイベントに参加はしてなかったんですけど、そういうことをやっているんだということは知っていました。あとは、テレビでもTEDの放送が夜にあったりして、色々な価値観や考え方を見るのが好きだったので、一生懸命みているというよりかは、なんか面白いことを言っているなという感じで見ていました。以前、私は広報室だったんですけど、その時にTEDxNagoyaUの方が売り込みに来ていただいて、説明を受けました。説明をされる中で真摯にやっていく熱意を感じたので、何か応援できないかと思いました。最初は、やってみるかという感じだったのですが、1回目の時にスピーカーオーディションを見学させていただいた時に、会場や司会進行もしっかり作り込まれていて、これは継続して応援していくべきだなと思い、継続をさせてもらっています。
山川:ありがとうございます。次に、今年のイベントのテーマが「SUPERNOVA」ということで、今回の企業宣伝では、「今年のSUPERNOVA」ということで今年大同特殊鋼様が力を入れていることでしたり、松崎様自身が力を入れていることがございましたら教えていただきたいです。
松崎様:そうですね。私個人としては昇格して一般でいう課長クラスになったので、ゆくゆくは部下を持ってマネージャーとしてやっていかないといけないポジションなので、これまでと同じではダメだなと思っています。そのため、最近は資格を取ろうかなと思っています。まだ始めたばかりですが国家資格の勉強を始めました。資格は、勉強すれば取れるというものが多くて、持っているだけで自分の価値というものが変わってくると思います。なので、今後働いていくうえで、自分の価値をあげていくということは、継続してやっていきたいと思っています。
山川:ありがとうございます!長年働かれている中でも、ストイックに新しい挑戦をしているんですね!最後になりますが、この記事を見ている方やメインイベントに参加される方にメッセージをお願いします!
松崎様:TEDやTEDxというのは、色々な気づきを得る場だと思います。普段生活をしているとマンネリ化して、接する人も特定化していくと思いますし、会社も含めて価値観が似通ってくる部分がどうしても出てくると思います。そういったところで、違うものの見方や価値観みたいなところに気づきがあることによってそこから生まれるものがあるのかなと思います。それが行動のきっかけになる場合もありますし、実際に行動に移らなかったとしても、そういったものは気づきとして自分の中に残ると思います。新しい情報が入ってきたときにどこかで気づきみたいなものがあると、立ち止まって考えるストッパーになったりすることもあると思うので、色々な価値観とか気づきというものを今回の機会を通してお互いに感じながら、今後の人生に役立てていく場になってもらえればいいのかなと思っています。
山川:ありがとうございます!本日はお忙しい中、お時間をお取りいただきありがとうございました!今後ともよろしくお願いします!
・インタビュアー:愛知学院大学文学部歴史学科 山川竣大
・記事作成:名古屋大学理学部数理学科 横山大輝
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